【個人メモ】コラム「2 事件の主な流れ」(2020/07/25竹山宏明)<3>
□「2 事件の主な流れ」について、下記に説明します
(2020/07/25竹山宏明)。
記
2 事件の主な流れ
【表1】事件の主な流れ
投稿は、第一に、原告である本件写真家が、平成21年、本件写真の隅に「丸C(まるシー)マーク(*7)及び本件氏名表示部分(*8)を付加した本件写真画像(*9)を自己のウェブサイトに掲載した。 第二に、ツイッター者(*10)が、原告である本件写真家に無断で、ツイッター上に「アカウント2」(*11)を使用し、本件写真画像を複製した本件元画像(*12)をツイート(*10(**))した。 その結果、ツイッター上に、本件元画像が自動的に保存・表示され、本件写真が表示されるようになった。 第三に、リツイート者(*13)が、アカウント3~5(*14)を使用し、ツイートのリツイート(*13-1)をした。 その結果、本件各表示画像(*15)が本件各リツイート記事(*13-3)の一部として表示されるようになった。 このとき、ツイートのシステムの仕様(仕組み)(*16)上、本件各表示画像は、本件元画像の上部及び下部がトリミング(一部切除)された形となっており、そのため、本件氏名表示部分が表示されなくなっています。 |
【図1】トリミング(一部削除)
【表2】事件の主な流れの注釈(1)
(*7)丸C(まるシー): 万国著作権条約により設定された、著作権の所有を表示する記号。 (*8)本件氏名表示部分: 自己の氏名をアルファベット表記した文字等。 (*9)本件写真画像: 本件写真の隅に丸C(まるシー)及び本件氏名表示部分を付加した画像。 (*10)ツイッター者: ツイッターに投稿した”者”。 (*10(**))ツイート: タイムラインに表示される自ら投稿した各短文投稿における短文投稿。 |
【表3】事件の主な流れの注釈(2)
(*11)アカウント2: 原判決別紙アカウント目録記載。 (*12)本件元画像: 本件写真画像を複製した画像(本件氏名表示部分を含む) (*13)リツイート者:リツイートした”者”。 (*13-1)リツイート: 第三者のツイートを紹介ないし引用する、ツイッター上の再投稿。 (*13-2)本件各リツイート: それぞれのリツイート。 (*13-3)本件各リツイート記事: 本件各リツイートにより投稿されたメッセージ等。 (*13-4)本件各リツイート者: 本件各リツイートをした者。 (*14)アカウント3~5: 原判決別紙アカウント目録記載。 (*15)本件各表示画像: 第1審判決別紙流通情報目録記載3~5。 |
【表4】事件の主な流れの注釈(3)
(*16)ツイートのシステムの仕様(仕組み): 本件各アカウントの各タイムラインに本件各表示画像が表示されるのは、本件各リツイートにより同各タイムラインの本件各ウェブページ(*16-1)にいわゆるインラインリンク(*16-2)が自動的に設定されるためである。 すなわち、本件各リツイートがされることによって、自動的に、上記リンクを指示する情報及びリンク先の画像の表示の仕方(大きさ、配置等)を指定する情報を記述したHTML(*16-3)等の本件リンク画像表示データ(*16-4)が、本件各ウェブページ(リンク元のウェブページ)に係るサーバーの記録媒体に記録される。 その結果、本件各表示画像は、トリミングされた形で上記端末の画面上に表示され、本件氏名表示部分が表示されなくなったものである。 |
【表5】事件の主な流れの注釈(4)
(*16-1)本件各ウェブページ: ウェブページ(第1審判決別紙流通情報目録記載3~5の各URLのウェブページ。 (*16-2)いわゆるインラインリンク: 本件画像ファイル保存用URLの本件元画像ファイルへのリンク。 (*16-3)HTML: ウェブページの構造等を記述する言語。 (*16-4)本件リンク画像表示データ: リンクを指示する情報及びリンク先の画像の表示の仕方(大きさ、配置等)を指定する情報を記述したHTML等のデータ。 |
<サイト内>
●2020年7月24日 (金)、【著作権】ITmedia NEWS/
画像のリツイートで著作者の署名消えた、最高裁が判決
(2020/07/23)
●「0 本判決の要約・目次」サイト内<1>
●「1 事件の概要」サイト内<2>
●「2 事件の主な流れ」サイト内<3>
●「3 最高裁の判断」サイト内<4>
●「4 『結論その1』について」サイト内<5>
●「5 『結論その2』について」サイト内<6>
(以上)
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