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2020年1月13日 (月)

【AI関連発明】<竹山コラム>AI(人工知能)により生成された発明について、2020年1月13日、竹山宏明<AI発明者4>

□特許であって、「AI発明者」に関し、
 以前、次の資料に掲載されていた。
 ●知的財産研究所(IIP)/セミナー・成果報告会
  /これまでに開催したセミナー・報告会/
  平成29年度招へい研究者 研究成果報告会
  <一部抜粋1>「平成30年2月15日(木)
    特許庁委託 産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業
    平成29年度招へい研究者 研究成果報告会」
  <一部抜粋2>「プログラム
    "Patentability of AI-generated inventions – is a reform of
    the patent system needed?"
   ・『AIにより生成された発明の特許性-特許制度改革の必要性
     (仮訳)』
    Ana Ramalho (アナ・ラマルホ)招へい研究者
    (※研究者の発表は英語で行い、
    日本語の逐次通訳が付きます。)
    *全10頁
    <一部抜粋1>「Ⅱ.発明者としての人工知能システム」
 ●Japio(日本特許情報機構)/Japio YEAR BOOK 2017 特集
  <一部抜粋>「人工知能による“発明”と“創作”
     ―AI 生成物に関する知的財産権―」
     早稲田大学法学学術院教授、上野 達弘 氏」
     *全4頁
 ●特許庁/平成30年度知的財産に関する日中共同研究報告書
  *[更新日 2019年5月8日]
   ・第2章 AIに係る知財法制に関する研究-特許を中心に-
    (PDF:2,358KB)」
    *全51頁
    <一部抜粋>
     「第1節 研究内容の要約
     第2節 中国におけるAIに係る知財法制
      I.「人工知能発明の専利法問題」
       呉 漢東 教授(中南財経政法大学)
      II.「人工知能と専利制度」
       張 鵬 助理研究員(中国社会科学院)
     第3節 日本におけるAIに係る知財法制
      I.「AIに係る知財法制に関する研究-特許を中心に-」
       熊谷 健一 教授(明治大学)
      II.「AIと知的財産法-特許法を中心に」
       潮海 久雄 教授(筑波大学)」
<竹山コラム>

     AI(人工知能)により生成された発明について
                   2020年1月13日、竹山宏明
1 AIにより生成された発明について
 EPOによる下記のニュース(*1)に接し、AI(人工知能)により生成された発明(以下、「AIによる発明」という。)の発明者は誰かという問題について考えた。
                   記
 「EPO refuses DABUS patent applications designating a machine inventor
  20 December 2019」
 上記EPOによるニュースは、「A reasoned decision may be expected in January 2020.」との記載で締めくくられ、決定の公表が待たれる。
 「発明者」については、我が国の特許法において、「発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる」(特許法29条1項柱書)と規定されており、このことから、「自然人」と解釈されている。
 特許法においては、「自然人」のみが「発明者」になるとする考え方(発明者主義)が採用されている。
 ここで、「発明者」についてはいくつかの考え方がある。一つとしては、(1)「発明の着想」(課題の提供又は課題解決の方向付け)と、(2)「着想の具体化」の2段階に分ける考え方がある。
 ここで、「着想」が新しい場合には「着想者」を「発明者」とし、「新着想を具体化した者」は、「着想の具体化」が当業者にとって自明でない限り、「共同発明者」になるとする(*2)。
 「AIによる発明」において、着想が新しく無く、しかも着想の具体化において、例えば、行為者がAI特許発明の「ボタン」を押すだけの場合には、発明者が不存在となるおそれもある(*3)。
 発明者が不存在の場合には、「発明者主義」の元では、特許法の保護を受け得ない。
2 法人発明の概念について
 我が国の特許法では、法人による発明(法人発明)が認められていない。
 これに対し、著作権法では、著作者の地位を法人に帰属させる職務著作(法人著作)が認められている(著作権法15条)。
 「AIによる発明」を保護するために、特許法の改正を前提として、「法人発明」の概念を認めることが一つの解決策になるのではないかと考えた。
 しかし、「AIによる発明」の発明者が「法人」と考えても、次に「AIによる発明」が特許法で保護される「発明」に該当するか否かが問題となる。
 「発明」については、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義され(特許法2条1項)、「創作」であることが要求される。
 「創作」とは、「新しいことを創り出すこと」をいい、「発見」と区別されると解釈されている。
 ここで、「思想」・「創作」は、「人間」だけが行えるものであり、人間ではないAIには「思想」や「創作」がないと考えるならば、「AIによる発明」は特許法で保護される「発明」に該当しない(*4)。
3 著作権法上の「著作物」について
 一方、下記の記事に接した。
                   記
 中国網日本語版(チャイナネット)、
 AIによる作品の初の裁判 著作権保護対象に
 発信時間:2020-01-08 16:13:35
 「著作物」については、我が国の著作権法では、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されている(著作権法2条1項1号)。
 ここで、「思想又は感情」は、あくまで「人間」の思想または感情のみを指し、コンピュータには、著作権法上の「思想又は感情」はないと解されている(*4)。
 また、イギリスの著作権法においては、「コンピュータ生成物」(computer-generated work)に「著作権」を付与されている(*6)。
4 結論
 上記のことを総合すると、「AI」の自立性を前提とし、「AIによる発明」を特許法上の「発明」と認定し、又、「法人発明」の概念を導入し、「AIによる発明」の創作に必要な手筈を整えた「者」(the arrangements necessary for the creation of the work)を「発明者」と認定することで、「AIによる発明」及びその発明に関与した「発明者」を特許法により保護できる可能性があるのではないかと考えた。
                             (以上)
<注釈>
 (*1)EPO/News & issues/News/201920191220
     (当該ページのURL)
https://www.epo.org/news-issues/news/2019/20191220.html
( *2)吉藤幸朔〔熊谷健一補訂〕著「特許法概説(第13版)」
     (有斐閣・1998年)
 (*3)潮海 久雄著「AI と知的財産法-特許法を中心に」
     (特許庁・平成30年度知的財早稲田大学法学学術院教授
     上野産に関する日中共同研究報告書・2018年)
 (*4)上野達弘著
     「人工知能による“発明”と“創作”
     ―AI 生成物に関する知的財産権―」(Japio YEAR BOOK 2017)
     (当該ページのURL)
 (*5)中国網日本語版(チャイナネット)、
     AIによる作品の初の裁判 著作権保護対象に
     発信時間:2020-01-08 16:13:35
     (当該ページのURL)
http://japanese.china.org.cn/life/2020-01/08/content_75591740.htm
 (*6)著作権審議会第9小委員会(コンピュータ創作物関係)報告書
     平成5年11月 文化庁
     (当該ページのURL)
https://www.cric.or.jp/db/report/h5_11_2/h5_11_2_main.html#1_2
     第1章 コンピュータ創作物に関するこれまでの検討状況
      II 国際的動向、1 各国における検討・立法状況〔イギリス〕
<一部抜粋>
【表1】
2 国際機関における検討状況
 1988年(昭和63年)の著作権法改正により、コンピュータ生成物(computer-generated works)について新たに規定された。その内容は以下のとおりである。
 (1)コンピュータにより生成される著作物の著作者は、著作物の創作に必要な手筈を整える者(the person by whom the arrangements necessary for the creation of the work are undertaken)であるとみなされる(第9条(3))。
 (2)コンピュータにより生成される著作物の著作権は、著作物が作成された暦年の終わりから50年の期間の終わりに消滅する(第12条(3))。
 (3)著作者人格権は、コンピュータにより生成される著作物には適用されない(第79条(2)(c)、第81条(2))。
 (4)「コンピュータ生成」とは、著作物の人間の著作者が存在しない状況において著作物がコンピュータにより生成されることをいう(第178条)。
<出典>「文化庁」、
    著作権審議会第9小委員会(コンピュータ創作物関係)報告書
    平成5年11月
    (当該ページのURL)
https://www.cric.or.jp/db/report/h5_11_2/h5_11_2_main.html#1_2
<サイト内>
 ●2020年2月 1日 (土)、【個人メモ】<EPO>
  「AI発明者」に関する公表文の仮翻訳、2020年2月1日、竹山宏明
  <AI発明者7>
 ●2020年1月31日 (金)、【個人メモ】JETRO/
  欧州特許庁、人工知能「DABUS」を発明者とする特許出願を
  拒絶する理由を公表(2020年1月31日)<AI発明者6>
 ●2020年1月15日 (水)、【個人メモ】JETRO/
  欧州特許庁、人工知能「 DABUS 」を発明者とする特許出願を拒絶
  (2020年1月13日)<AI発明者5>
 ●2020年1月 9日 (木)、【著作権】<中国>Chinanews.com/
  Econs.cn/Court rules AI-written article has copyright
  <中国・著作権・AIの2>
 ●2020年1月 8日 (水)、【AI関連発明】Yahoo Japan/栗原潔 氏/
  AIを発明者とする特許出願はどんなレベルのものなのか
  <AI発明者3>
 ●2020年1月 7日 (火)、【AI関連発明】財経新聞/
  AIを発明者として申請された特許出願、欧州で却下される
  <AI発明者2>
 ●2020年1月 6日 (月)、【AI関連発明】CNET Japan/
  AIを発明者とする特許出願、欧州特許庁が認めず<AI発明者1>
 ●2020年1月 8日 (水)、【著作権】中国網日本語版(チャイナネット)/
  AIによる作品の初の裁判 著作権保護対象に
(以上)

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