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2019年5月 1日 (水)

【AI関連発明】AI関連技術に係るデータ群の利活用について(11)~AIと特許法(続き)~<勉強ノート>

□AI関連発明における特許要件の判断については、特許庁より、次の事例が提供されている。

(目次)
 1 はじめに→(1)
 2 AI利用データについて(1)~(3)
 3 AIと特許法について(4)~(16)
  3-1 我が国における特許出願件数に係る統計データ→(4)
  3-2 AI関連発明→(5)
  3-3 AI関連発明、ビジネス関連発明、IoT関連発明の特許庁資料→(6)
  3-4 特許要件の判断→(7)
  3-5 特許要件の判断→(8)
  3-6 記載要件に関する特許庁の事例について(8)~(11)
   (1)実施可能要件及びサポート要件の有無→(8)
   (2)事例46「糖度推定システム」→(9)
   (3)事例47「事業計画支援装置」→(9)
   (4)事例48「自動運転車両」→(10)
   (5)事例49「体重推定システム」→(10)
   (6)事例50「被験物質のアレルギー発症率の予測方法」(11)
   (7)事例51「嫌気性接着剤組成物」(11)

  3-7 進歩性に関する特許庁の事例について→(12)~(16)
 4 AIと意匠法について(未作成)
 5 AIと著作権法について(未作成)
 6 AIと不正競争防止法について(未作成)
 7 AIと契約について(未作成)
 8 AIと商標法について(未作成)
 9 AIとその他(未作成)
 10 おわりに(未作成)

**********

(本文)
3 AIと特許法について
 3-6 記載要件に関する特許庁の事例について
  (6)事例50「被験物質のアレルギー発症率の予測方法」
     <出典>
     (1)特許庁「AI関連技術に関する事例について」(2019.1公表)
     (2)特許庁「AI関連技術に関する事例の追加について」
      (平成31年1月30日公表)
【表19】
 ●事例50:被験物質のアレルギー発症率の予測方法 *改行・下線挿入

事例50:被験物質のアレルギー発症率の予測方法
<拒絶理由>
【請求項1】
 ・サポート要件違反/実施可能要件違反
【請求項2】
 ・拒絶理由なし(サポート要件違反/実施可能要件の具備)
<クレーム>(特許請求の範囲)
【請求項1】
 ヒトにおけるアレルギー発症率が既知である複数の物質を個別に培養液に添加したヒトX細胞の形状変化を示すデータ群と、前記既存物質ごとのヒトにおける既知のアレルギー発症率スコアリングデータとを学習データとして人工知能モデルに入力し、人工知能モデルに学習させる工程と、
被験物質を培養液に添加したヒトX細胞において測定されたヒトX細胞の形状変化を示すデータ群を取得する工程と、
学習済みの前記人工知能モデルに対して、被験物質を培養液に添加したヒトX細胞において測定されたヒトX細胞の形状変化を示す前記データ群を入力する工程と、
学習済みの前記人工知能モデルにヒトにおけるアレルギー発症率スコアリングデータを算出させる工程
とを含む、ヒトにおける被験物質のアレルギー発症率の予測方法。
【請求項2】
 ヒトX細胞の形状変化を示すデータ群が、ヒトX細胞の楕円形度、凹凸度、及び扁平率の形状変化の組合せであり、アレルギーが接触性皮膚炎である、
請求項1に記載の予測方法。
<教師データ>
【請求項1】
 (1)「ヒトX細胞の形状変化を示すデータ群」
 (2)「アレルギー発症率スコアリングデータ」
【請求項2】
 (1)「ヒトX細胞の形状変化を示すデータ群」
 (2)「アレルギー発症率スコアリングデータ」
   →アレルギーを「接触性皮膚炎」に限定
<拒絶理由の内容>
【請求項1】
 ・具体的な相関関係等→記載無し
 ・相関関係等の存在 →推認性不可
  (出願時にアレルギー発症率と細胞の形状の変化の関連性に関する技術常識がないため困難である。)
【請求項2】
 ・具体的な相関関係等→記載有り
  (人工知能モデルの学習に用いなかったデータを利用して、学習済み人工知能モデルが接触性皮膚炎発症率について一定の精度で予測ができたことを確認したことが記載されている。)
 ・サポート要件   →満足
  (請求項2に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものであり、請求項2はサポート要件を満たす。)
<拒絶理由に対する出願人の対応>
・「請求項1を削除し、請求項2のみへと補正することにより、拒絶理由は解消する。」

【図13】


20190501_zu13_50
<出典>特許庁「AI関連技術に関する事例の追加について」
(平成31年1月30日公表)


  (7)事例51「嫌気性接着剤組成物」
【表20】
 ●事例51:嫌気性接着剤組成物 *改行・下線挿入

事例51:嫌気性接着剤組成物
<拒絶理由>
・サポート要件違反/実施可能要件違反
<クレーム>(特許請求の範囲)
【請求項1】
 嫌気性接着剤組成物であって、
0.08~3.2質量%の化合物A、0.001~1質量%の化合物B及び、残余が嫌気的に硬化可能な(メタ)アクリレートモノマーからなり、
さらに、硬化開始から5分以内に24時間硬化強度の30%以上の硬化強度を示す嫌気性接着剤組成物。
<教師データ>
 (1)「嫌気性接着剤組成物の組成データ」
 (2)「硬化開始から5分までの硬化強度データ」
 (3)「硬化開始から24時間後の硬化強度データ」
<拒絶理由の内容>
・具体的な相関関係等→記載無し
 (AIによりある機能を持つと推定された物を特許請求しているが、実際に製造して物の評価をしておらず)
・相関関係等の存在 →推認性不可
 (学習済みモデルの示す予測値の予測精度は検証されておらず、AIによる予測結果が実際に製造した物の評価に代わりうるとの技術常識が出願時にあったとは言えない)
<拒絶理由に対する出願人の対応>
・「出願後に、請求項1に係る発明の嫌気性接着剤組成物を製造し、学習済みモデルの予測を裏付ける試験結果を記載した実験成績証明書を提出して、本発明の課題を解決できる旨の主張をした場合であっても、発明の詳細な説明の記載不足を補うことにはならず、拒絶理由は解消しない。」

【図14】


20190501_zu14_51
<出典>特許庁「AI関連技術に関する事例の追加について」
(平成31年1月30日公表)

 

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(以上)

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